たまには本の話

※読書の秋にふさわしく
いろいろ思い出し書きをしています。
最後まで読んだからといって
イラストに関する内容は出てきません。
そんなのもたまにはいいかな。と(笑)

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「文章を書くには
たくさんの文章を読まないといけない。
さあ、本を読みましょう。」

「本を読みましょう。」

文字を読み、慣れ、親しみ、
学び、習得するという流れ。
なのだと思う。うん、思う。

関西人として真っ当に、
会話でのコミュニケーションを
得意とする(?)ぼくとしては、
子どもの頃から読書や作文は苦手分野で、
夏休みの読書感想文はその最たるもの。
苦行でしかなかった。

漢字はもはや記号であり
文字のみで構成された
数百ページ!(辛い!)

登場人物の想像しながら
物語を読んで理解していくなど
離れ業もいいところ。

どうして父や姉はその世界に浸かり、
また新しい本を買い、映画のごとく
楽しめるのだろうか。不思議で仕方なかった。
父は歴史物、姉はドラマや映画の
原作本をよく読んでいた。

読めればきっと面白い。
しかし、いざ、目を通しても
面白さがわからない。というより、読めない。
習得しなければいけない技術がある。
そんな気がしていた。

今になって思う。
必要なのは興味だったのだ。

それまで目を通してみた本はいくつかあった
姉に借りた本、おすすめされた本
読んだ。と思う。しかし、覚えてない。
多分「文字を目で追った」というだけだった。

本は近くて、遠い。
憧れにも似た存在。

大学生になった最初の春休み。
「この歳で小説も読めないのはちょっと…。」という
自身へ小さなのプレッシャーを抱え書店に立ち寄り
どこから、なにを選んで良いかわからないまま
文庫コーナーをうろつく中、
平置きされている小説の帯に一文

────神様を閉じ込めにいかないか?

目に止まった。
手にとって、なんとなく、「読んでみたい」と思った。

「アヒルと鴨のコインロッカー」(著:伊坂幸太郎)
大げさに言えば、ここからぼくの読書ライフが始まる。

今になって思えば、最初に手にとったのが
伊坂作品でよかった。

そもそもぼくが本を読めなかったのは
描写の想像力と、読書に対するスタミナ不足。

伊坂作品の特徴でもある
複数の視点から物語を進める手法が、
あちらこちらに物語の視点が移ることはあっても
一章(もしくは節)の文章量が少なく
理解しやすい仕様になっている。
(と言っても、はじめはページを
行ったり来たりで読んでいたけれど)

ぼくの抱えていた問題を
爽快なストーリーと驚きの結末(何このトリック!)で
破壊して読書の楽しみを与えてくれた伊坂さんには
なにかいいものを送りたい(きっと迷惑だ)。

人に本を薦めるなんて一生ないと
思っていたけれど、何かのきっかけで
この文章を思い出して、書店でその本と目があったら、
手にとって読んでみてほしい。

「アヒルと鴨のコインロッカー」

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以降、伊坂作品(文庫本)を買いあさり、
ミステリー小説を主として読書を進めております。
最近は森博嗣作品にどっぷりです。
その話は、また気が向いた時に。

良い読書の秋を◎

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